前回(第1回)では、会社法の定める会社は、社員の責任によって4種類になるということをお話しました。無限責任社員のみからなる会社が合名会社、無限責任社員と有限責任社員の両方からなる会社が合資会社、有限責任社員のみからなる会社が合同会社と株式会社です。今回は、同じく有限責任社員のみからなる合同会社と株式会社の違いはなにかをお話します。
まず、出資金(資本金)を考えます。
有限責任とは、会社に出資する範囲で責任を負うということですから、会社にいくらかの出資をしなければなりません(会社法27条4号、576条1項6号)。
ただし、合同会社、株式会社ともに、設立時の出資額の規制がありませんから、出資金(資本金)を1円とすることも可能です。したがって、出資金(資本金)1円から会社を設立できる点で両会社の違いはありません。
次に、業務執行者(役員)と会社代表を考えます。
合同会社では、社員(出資者)がそれぞれ業務を執行し会社を代表するのが原則ですが、定款で別段の定めをすることができます(会社法590条1項、590条1項、2項、3項)。もちろん社員(出資者)が1人の場合は、その者が業務を執行し会社を代表することになります。
株式会社では、取締役会を設置した場合は、代表取締役が業務を執行し会社を代表しますが、取締役会を設置しない場合は、取締役がそれぞれ業務を執行し会社を代表します(会社法348条1項、349条1項)。ここでも、取締役会非設置会社で取締役が1人の場合は、その者が業務を執行し会社を代表することになります。
すなわち、合同会社、株式会社ともに、業務執行者(役員)と会社代表を1人で賄うことができ、この点では両会社の違いはありません。
しかし、合同会社では業務を執行するのが社員(出資者)に限定されるのに対して、株式会社では株主(出資者)が株主としての資格では業務を執行しない点が異なります。
では、どちらで設立したほうがよいのでしょうか。
この質問はよく受けるのですが、次のように答えるようにしています。 「将来的に会社を大きくしていく気持ちがあるのでしたら、株式会社をお勧めします。将来的にも1人ないし数人の仲間でずっとやっていきたいのなら、合同会社でもいいと思います。」
このように答えるのは、株式会社の条文は、大きな会社にも適用できる内容になっているのに対して、合同会社の条文は、会社のあり方の決定を、原則として、社員全員の一致で行なうとしており、したがって、内輪だけでやっていこうとする会社に適した内容になっているからです。
- 「会社設立とは」目次
- 第1回
- 第2回
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司法書士